耳鳴りについて

耳鳴りとは?

実際に音はしていないが、高音域の「キーン」「ピー」や、低音域の「ゴー」「ジー」といった音が聞こえてしまう空耳の様な症状のことを指します。耳鳴りはライブや、イヤホンで大音量を聞いた後や新幹線や飛行機に乗った時や水泳をした後などに、聞こえたりする事が多い様に思います。また、一過性で無い場合、症状の内容によっては耳に関連する病気が原因で発生していることもあります。

原因は?

「突発性難聴」 突然音が聞こえなくなる病気で、片耳だけの耳鳴りや片耳が聞こえなくなる(難聴)、めまいが現れます。ストレスに関係しているとも考えられていますが、明確な原因は今のところ不明です。

「メニエール病」 内耳のリンパ液の異常が原因ですが、その発生原因は不明です。めまいの前後に、片耳だけの耳鳴り、吐き気・嘔吐、難聴、耳閉感が現れます。突発性難聴と似ていますが、回転性めまいが主訴な点に違いがあります。

「老人性難聴」 耳鳴りの原因で一番多い様に思います。内耳の蝸牛(かぎゅう)部分の有毛細胞(音を感じ取る細胞)が、老化によって壊れてしまう為に起こります。50・60代が多いですが、早い人だと40代から起こる場合もあります。両耳の耳鳴りや難聴が現れます。

「自律神経失調症」 交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが、ストレスや疲労・睡眠不足などで乱れた症状です。引き起こす症状は倦怠感や頭痛、動機、不眠、肩こり、めまい、精神的不安定など、非常に多岐にわたりますが、耳鳴りもそのうちの一つとされています。

「中耳炎」 中耳炎とは中耳(鼓膜と内耳の中間部分)が風邪などでウィルスや細菌に感染し、耳の痛みや発熱の症状、鼓膜の内側に浸出液が溜まる病気です。また、耳鳴りや難聴などの症状を伴うことがあります。

「聴神経腫瘍」 稀に、女性(熟年層)の方で発症する脳腫瘍の一種で、読んで字のごとく、聴神経に出来て、ほとんどが良性腫瘍です。ふらっとするようなめまいや片耳だけ耳鳴り・聞き取りにくさ(難聴)が現れます。

「低音障害型感音難聴」 低音が聞こえづらくなる、低音の耳鳴りが現れます。突発性難聴よりも症状が軽く、聴力が回復しやすい傾向があります。このような難聴の症状とともに、耳鳴りを伴うことがあります。

「耳管狭窄症、または開放症」 狭窄症は、上咽頭がんやアデノイド(鼻の奥の扁桃腺)の腫れ、風邪などで耳管(耳と喉をつなぐ管)が腫れて狭くなる病気です。これにより、耳閉感や耳鳴りが起こります。開放症は、通常は閉じている耳管が開いたままになってしまう為、自分の声や呼吸している音が不快に感じるほど耳に響いたり、耳鳴りやめまい、難聴を併発したりする場合もあります。

「高血圧」 高血圧も耳鳴りが起こる原因の一つです。心拍動が聞こえたり、頭痛やめまいを伴うこともあります。自覚症状の無い高血圧では、症状発見の手がかりになる事も。

「薬剤性難聴」 抗がん剤、抗菌薬、解熱剤や鎮痛薬、抗精神病薬など、病気の治療に使用される薬剤の副作用として耳鳴りや難聴が起こる事があり、ごく一部の薬で起こる事が多いとの事。もし初めて使う薬を飲んだ後などに症状が現れた場合、処方を受けた病院で相談しましょう。

「外リンパ瘻」 内耳の一部に穴が開いて外リンパと呼ばれる液体が漏れ出し、めまいや耳鳴り、難聴の症状が出る病気です。このほか、外リンパが漏れたことで正常な平衡感覚が保てなくなるため、嘔吐や気持ち悪さの症状が現れることがあります。

「耳に悪い事」 ライブやクラブでの大音量、ヘッドホンで長時間の大音量を聞いた事で、両耳の耳鳴り・耳の痛み・難聴が現れます。軽症であれば、一時的な耳鳴りや難聴で済みますが、翌日以降も明らかに聞こえづらかったり、耳が痛かったりする場合には、治療が必要です。

栄養素との関係

耳鳴りを改善、予防するには、一般的な栄養バランスも大切ですが、ビタミンを意識的に摂取するとより効果的です。特にビタミンB群は、耳鳴りの治療にも利用されている栄養素です。中でもビタミンB12は、末梢神経の働きをよくするため、耳鳴りの改善に有効だと考えられます。処方薬のメチコバールは、ビタミンB12ですが、B12って複数あるんですね。メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、スルフィトコバラミンがあります。このうち、メチコバラミンが末梢神経の修復作用があるのでメチコバールと言う訳です。しかし、合成された単体の薬品より、天然型の複合体で摂取した方が良いと思いませんか?まだまだ、食品には発見されていない成分ありますし、天然複合型摂取をオススメします。実際に、ドクターで処方されたメチコバールを服用して、発疹が出てしまい、当院で天然型B12配合のサプリメントで改善された患者さんもおられます。日常的にビタミンB群を補給するにはサプリメントが有用ですが、食品で挙げるなら、魚や貝類、レバーなどがビタミンB12を豊富に含んでいます。

鍼灸治療

まず、内耳周辺の血液循環の改善、耳の周囲および頚肩部の筋緊張の緩和、全身の自律神経の調整を目的とした鍼灸治療をしていきます。経絡(気が流れる通路のようなもの)の気の流れが滞っているため、鍼によってツボを刺激して、気の流れを改善させます。特に、耳鳴り、難聴に効果を発揮する翳風(えいふう)・耳門(じもん)・風池(ふうち)・肘に有るツボ、曲池(きょくち)、頭部や顔面部の疾患に効果的な・前腕のツボ、内関(ないかん)首や肩の周囲、耳の周囲に重点的にマッサージも施します。 下記、経穴(ツボ)も効果的に使います。

聴宮
(チョウキュウ)
耳の穴の前にある三角の蓋様の突起の前、口を開けると凹む所耳鳴り、めまい、難聴、頭痛、歯痛
角孫
(カクソン)
耳の上先端部の位置で髪の毛の生え際耳鳴り、頭痛、自律神経の調整、ホルモン調整
翳風
(エイフウ)
耳たぶの裏の凹み部耳鳴り、頭痛、肩こり
完骨
(カンコツ)
後頭部と耳たぶの間にある骨の突起部下方耳鳴り、頭痛、不眠、肩こり
頭竅陰
(アタマキョウイン)
上のツボ、完骨ので触った骨突起の後方耳鳴り、めまい、立ちくらみ

以上、ツボの一部です。

実際の治療

当院での治療例は、耳鳴り単体では無く、めまい、難聴を伴うケースが多いです。

上に記述した基本的な治療と、問診でお聞きし、触診で得た情報を元に個別のカスタマイズした治療をします。

例えば、新幹線の佐久平駅が出来た事により、通勤で使う方など出てきて、気圧の変化が日常になり症状が出る方もいますし、ヘッドホンの過剰使用にて症状が出る方、中耳炎などを繰り返した結果、症状が出た方、など色々おられます。

耳鼻科では代表的な処方薬だと、メチコバール(ビタミンB12)、トラベルミン(酔い止め)、メリスロン(血管拡張)などが出る事が多いですね。

お薬を見て頂ければ、西洋医学も、東洋医学も目指すところは一緒で、血液リンパ液の循環改善して血液内の修復の材料を増やし、脳や三半規管、内耳に届かせて改善を目指していくのですね。

このご時世と、元々、鍼灸院も厚労省からの広告制限などもあり、ホームページで書ける事も制限が有りますので、詳しくは書けませんが、お薬も不完全な所が有りますので、なかなか改善しない方も多い様に思います。

カイロや整体、リラクゼーション系はそもそも国家資格では無いので、それのみの治療では難しいと思いますし、中には国家資格である柔道整復師(整骨院、接骨院)をお持ちの先生もいますので、カイロや整体は先生選びから難しいと思いますね。

さて、改善期間は症状の重さ、病歴などと、個人差は有りますが、症状の軽減、改善はしていきます。早く改善した患者さんは1ヵ月位でしょうか。症状などが、重い患者さんは中々難しいと思って下さい。

アドバイスとしては、勿論、東洋医学のみでも改善しますが、どちらかと言うと、病院のみ、鍼灸のみ、言った事で無く、併用した方が回復が早い様に思います。是非、鍼灸治療を選択肢の一つにしては如何でしょうか?

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